年収いくらまでなら扶養が得か part3
「130万円超えちゃった! どうしよう…」
扶養の範囲内でおさめるつもりが、130万円を超えてしまった場合。
たまたま仕事を入れすぎた、とか、パートだけど予想外に賞与が出た、などでそうなる場合もあるかもしれません。
そんな時、もう扶養には戻れないの? と不安になるかと思います。
健康保険の扶養の範囲は年間130万円ですが、実はこれ微妙な定義で細かく言うと
「これから1年間の収入が130万円を超える見込み」
ということであり、もっと具体的に言うと、月収が108330円を超えるかどうかということなのです。
この「超える見込み」というのがやっかいで、年収103万円までなら配偶者控除!とはっきりしている税金と異なるところです。
具体的にどんな時に扶養から外れないといけないの?
よく勘違いされるのが、「130万円超えたから今から扶養を抜ける」という考え方です。
そうではなく、正確には月収が108330円を超えた段階で、12ヶ月で掛けると130万円を超えるので、その時点で扶養から抜ける必要があります。
- 1月から3月までの3ヶ月だけ月収30万円で働いた場合
30万円×3ヶ月=90万円で年収130万円は超えませんが、月収レベルでそのままいけば130万円を超える見込み、となるので1月から3月は扶養に入ることができません。
ただ4月以降は無職となり月収0円ですので、失業保険がなければ扶養に入ることができます。 - 1月から7月まで収入0円。8月から12月まで月収30万円で働いた場合
8月から12月までで30万円×5ヶ月=150万円となりますので、働き始めた8月から扶養を外れていれば問題ありません。
健康保険は月毎で判定するため、上限を超えれば年単位で扶養を外れる税金の扶養とは異なります。
つまり、今回たまたま超えてしまっただけならばその時は扶養から外れる必要がありますが、また元の扶養範囲内の収入になれば扶養に戻れるのです。
例えば12月に賞与が出て130万円を超えてしまったような場合、12月は扶養から外れますが、1月以降は賞与込で調整することを前提として次年度は扶養に入ることができるのです。
一旦130万円を超えてしまうと、もうしばらくは扶養に戻れない…と誤解されている方も多いのですが、そうではありません。
健康保険はあくまで「見込み」で「月単位」で判定するものだからです。
もし不安になった場合は、会社で確認してみてくださいね。
※今回の記事は、政府管掌の健康保険を前提としており、被扶養者の会社が組合健保であれば異なる場合がありますので、ご注意ください